長編映画ワークショップ その2スポーツにおけるコミュニケーションについてのワークショップ、ブラインドサッカー体験企画3自由研究セミナー「アーサー王研究会:アルフレッド・テニスン「シャロットの女」の精読から創作へ」筑前琵琶と語りの世界 −音の力、ことばの力−

■プロジェクト名
 実験授業「自由研究セミナー:アーサー王伝説解題から創作へ
 ――シャロットの女」における「物語創作のための方法論」講習会 その3



▼活動概要
▼[報告] テニスン「シャロットの女」 創作のための物語分析





■ねらい
 テニスン「シャロットの女」 創作のための物語分析創作者の視点から物語の分析をする講義と作業を通じ「古典」作品の構造を理解し、現代の創作へつなげる方法を学びます。




■概要
 テニスンの詩の構造をワークシートによって、詩の状況の描写などから登場人物の感情、読者の感情への作用を綿密に分析する作業を通して創作の方法を学びます。
 「詩との対話で見えてくるものを捕まえ」構造分析から創作のヒントを得ることが、最終的な創作発表に向けての準備となります。
 事前に配布された講師によるパステル画による詩行の可視化を参加者が分析します。 さらに講義と質疑、グループ討議を繰り返しながら、参加者個人の解釈を言語化し深めていきます。
 最終的にはワークショップ内での統一した分析を導き出す予定です。





■活動スケジュール
 2010年11月5日(金) 16:30−18:30




■関連セクション
 Section I 「アート」


■メンバー
不破有理、吉田恭子 横山千晶 迫桂 



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[タイトル]
 テニスン「シャロットの女」 創作のための物語分析

[活動日時]
 2010年11月5日(金) 16:30−18:30

[開催場所]
 慶應義塾大学 日吉キャンパス 独立館 D303

[報告内容]
 小関章ラファエル氏による見事な物語分析のプレゼンテーションを中心にしたワークショップが開催されました。小関氏は不破の自由研究セミナー「アーサー王」に2010年度は年間を通して出席し、アーサー王伝説とテニスンの「シャロットの女」と向き合ってくださっています。創作者の視点から物語の分析を行い、ご自身が描かれたパステル画をきわめて効果的にシャロットの女の心象風景としてプレゼンの中に取り入れて説明なさいました。パステル画には、シャロットの女の視線を辿るように、塔から見えるキャメロットをはるかに望む光景が描かれています。画の色調を変化させることによって、シャロットの女の心情の変化が連動し、また鏡の存在の有無をパワーポイントで示すことによって、小関氏の解釈による鏡の意味が鮮明に示されたのは、参加者にとって驚きであったと思います。音読によっても作品の異なる解釈が生まれますが、視覚化されたイメージを提示することによって登場人物の置かれた状況や詩にちりばめられた言葉の隠された意味などが次々と浮かび上がるのは興味深く、教育方法としても示唆的でした。

 今回は、ポスターを見て初めて参加した留学生二人も加わり、また学外から教育関係者のOBも参加しました(ご自身のWebで本ワークショップの手法が文学の教育方法として参考になるとの感想をまとめておられます)。神話学者ジョセフ・キャンベルが『スターウォーズ』の物語構成に大きな影響を与えたことはジョージ・ルーカス自身が語っているところですが、小関氏はジョセフ・キャンベルのインタビューの言葉から、ワークショップ受講者にキーワードを聴きとらせ、シャロットの女の解釈へ結び付けた手法は見事でした。参加者たちにとっても充実したワークショップとなり、白熱した解釈談義がグループごとに展開し、2時間以上の時間が経過したことが信じられないほどでした。参加者の一人は小学生の頃学んだカナダのフォークシンガーが作曲した “Lady of Shalott”を歌ってくれ、本作品の魅力を新たにしたようです。

 アンケート結果からも参加者が本ワークショップのアプローチに共感している様子がうかがえました。今回のワークショップは参加人数は多くはありませんでしたが、広報の方法によっては「シャロットの女」のワークショップに魅了される潜在的な参加者を掘り起こせる可能性が実感できた一歩ではないかと思います。


 9月から始まった3回のワークショップは今後の多様な可能性を開く内容であったと思います。 まず、古典作品の奥深さを再認識する機会となったこと。ワークショップごとに異なる手法で接近しましたが、そのたびに異なる解釈が顔を覗かせ新鮮な感動を得ることができました。何層にも隠された意味を包含する作品「シャロットの女」の、まさに底なしの深さを参加者がそれぞれ実感しました。また新たな教授方法のヒントを得る機会ともなりました。今回の連続ワークショップのように古典作品を異なった切り口で教室で取り上げることによって、文学を扱う様々な授業の在り方の可能性を探ることができました。また参加者の視点からとらえれば、能動的なテクストの読み方を学べたのではないかと思います。学生と教員が双方向に解釈を述べ合い、互いに議論を交わすことによって、自らの考えを次第に的確に表現できるようになりました。様々な媒体(朗読、群読、詩行の創作、描画による表現)を通して、解釈を深めることができ、かつまた表現する方法も学ぶことができたと思います。このようにテクスト解釈に想像力を働かせ、五感を研ぎ澄ませる身体知を組み合わせることによって可能となる授業の有効性と今後の可能性をあらためて確認できたのではと思います。

















[メンバー・スタッフ]
不破有理 横山千晶 吉田恭子 迫桂 


[投稿者:不破有理]




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